アスベストの検査の必要性

アスベストは昭和30年から50年頃まで、保温断熱目的のために住宅やビル等の建物に使われていました。しかし吸入した繊維が肺の中に残ることで、肺がんや中皮腫、びまん性胸膜肥厚の原因になることが判明したため、現在は使用禁止となっています。しかしながら今もアスベストを使用した建物が残っているため、住宅やビルを解体、改修する場合には建材にアスベストが含まれているかどうかを事前に検査する必要があります。特にこれからはその時代に建てられた建物の解体、改修が多くなってくることでしょう。

なお令和4年4月1日からは労働基準監督署および自治体への検査結果の報告が義務付けられました。検査は建築物石綿含有建材調査者や一般社団法人日本アスベスト調査診断協会に登録された者が行うことになっています。インターネットを検索をすれば調査会社の広告がたくさん出てくることでしょう。調査会社申込みをした後に検体を提出し、分析結果が出るのを待ちます。

分析方法には、技術者が実体顕微鏡で検体を確認しアスベストを見つける方法と、X線回折装置と顕微鏡を用いて分析する方法があります。それぞれ分析の精度や結果が出るまでにかかる時間について一長一短がありますので、状況に応じて選ぶのが良いでしょう。また簡易的な検出キットも販売されていますが、こちらは解体、改修工事前のサンプリングや事前調査の前準備、精密分析前のスクリーニング等に活用できます。

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