アスベストの検査が実施される理由

皆さんは竹取物語に登場する火鼠の裘が、アスベストであるとされているのをご存じでしょうか。アスベストは、1880年代頃からその耐熱性、耐薬品性、断熱性のために産業利用されてきた自然界に存在する鉱物です。本格的に国内でその製品が製造され始めたのは1891年で、以来産業施設の拡張や建設需要の増加、水道設備関連の需要などによって関連製品の生産量や用途が拡大し、輸入量も1939年には約4万4千トンにまで増加していきました。しかし1960年代頃から世界各国でマウス等の動物を使った実験が行われ、アスベストの発がん性が実証されるなど、その危険性が広く周知されることとなりました。

それにさらされると、じん肺、中皮腫、肺がんといった深刻な健康問題を引き起こす可能性があるとされています。1975年には特別管理物質として位置づけられ、一部の使用が禁止され始めたのち、2006年に労働安全衛生法施行令が改正され、製造、輸入などを含めその使用が全面禁止となりました。つまり、アスベストの検査が実施されるのは、規制の順守を確認し健康被害を防止するためです。個人宅を含む建築物の解体または改修工事に伴うアスベストの事前検査が2020年に義務化されていますし、2022年にはその事前検査結果の報告も義務化されました。

家のリフォームなどを実施するにあたっても、請負金額が税込みで100万円を超える場合には、報告義務があります。その検査費用においては施主が負担しなければならず、工事の状況を理解し請負会社に協力することが求められますので注意しましょう。

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